【新シリ(仮)】ジョンに賭ける

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

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ここ2回のあらすじ

的場マキに拒絶されたあかり。

フラフラと、ストレイテナーのライブを観たライブハウスの近くを通っていると、謎のレコード喫茶に迷い込んでしまった。

 

その喫茶店のマスターのおかげで、ビートルズを知るあかり。

だが、じつはその喫茶店の地下は、的場マキの練習スタジオになっていた。

 

地下から喫茶店に上ってきたマキは、ビートルズをめぐって、あかりに挑発的な態度を取ってしまう。

 

 

 

リボルバー

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リボルバー [12 inch Analog]

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「ーービートルズの『Tomorrow Never Knows』を、ジョン・レノンポール・マッカートニーのどっちが作ったかなんて、あたしにはわからないけど」

 

当然だよ。

 

「な、なんか、リズムがいいよね!?」

 

くっ、微妙に的を射た意見……

 

「えーと、『イエスタデイ』がポールで、『ヘルプ!!』がジョンなのね」

「とうぜん」

「『イエスタデイ』の流れだったら、こういう革新的な曲を作るのは、ポールのほうな気がするけど」

「す、するけど?」

「あたし、『なんでも鑑定団』のオープニングで、無意識的に『ヘルプ!!』を聞いてきてて――それでも、曲の出だしが、『斬新』だとは思った」

 

この時期のビートルズなんて斬新な曲しか作ってないよ。 

 

「で、やっぱり『イエスタデイ』からの流れだったら、『Tomorrow Never Knows』もやっぱりポールの作品ーー」

 

ほら間違えた。

終わったな。 

 

と見せかけて、あたしは『あまのじゃく』だから、敢えて、『Tomorrow Never Knows』の作者はジョンだ、というほうに賭けてみる

 

!? 

 

どうしてわかるの……(゜o゜;

 

「へへ、野生の勘」

 

なんなんだろう……

この娘に、音楽的センス?

いや、いや、まだわかんない。

けど……。 

 

「じゃ、じゃあ、今後は、『Tomorrow Never Knows』は、ミスチルの曲でなくビートルズの曲だと思うように」

「えーっ、いじわるw」

「わ、わたし、別にミスチル嫌いとは言ってない。

……まったく聴かないけど」

「……音楽に『うるさい』ひとって、そういう言い方しそうだよね」

「どういう言い方」

「『わたしは◯◯嫌いとは言ってませんけど、プライベートでは滅多に聴きません』」

「(歯ぎしりして)ぐ……」

 

「あたしもミスチルは有名な曲しか知らないけど」

「(フン)」

「でも、ここでビートルズミスチルを比べるのは、筋違いじゃない?

 まぁ、たぶん、桜井さん……だっけ、ミスチルのひとが、ビートルズの『Tomorrow Never Knows』から、タイトルを拝借したんだと思うよ」

「借りパク」

「(スルーして)でもさ、ビートルズミスチルの『Tomorrow Never Knows』、曲のニュアンスが全然違うじゃん。

 あたし、しょうじき、ミスチルだったら、Tomorrow Never Knowsより良い曲、わりとあると思う」

「たとえば?」

「お、『終わりなき旅』、とか? (^_^;)」

「チッ」

「ーーところで、『Innocent World』のイントロって、いいよね」

「ギターリフのこと?」

「なに、それ」

 

イラッ。 

 

「あ、もしかして、イントロの『ぱーらぱらぱらぱぱー♪ ぱーぱーらぱらぱらぱーぱー♪』ってとこ?」

 

!! 

 

「戸崎さん……」

「なに?」

よどみなく歌えるのね

「えっ、どういうことw」

「い、いや、リフ…ギターリフを正確に覚えていて、『ぱーらぱらぱらぱぱー』とか、ことばは適当だったけど、テンポは『Innocent World』のそれとほとんど同じだったよ」

もしかして褒めてくれてるの!?

「ウッ(-_-;)」

 

やめて。

照れるから・・・。