【愛の◯◯】校内プールで偉業達成!?

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

↑のつづき

 

 

ひさびさに長い距離を、プールで泳ぎ倒した

 

・葉山先輩がくつろいでる、プールサイド。

 

「ふーっ」

「涼し気な顔ね」

「ひさびさに好きなだけ泳いだんで、清々しい気分なんですよ」

「羽田さん」

「はい」

水泳部のみんなが集まって騒然としてるわよ

「……えっ?

 なんかまずいこと、したかなーw」

 

(後方から)『羽田さん!』

 

「ビクッ」

 

『あの、ラップタイムって、わかるよね?』

 

「もちろん。ーーわたしは特に時計を意識せずに泳いでただけですけど、ラップタイム計ってたんですか?」

 

全部校内新記録だよ・・・

 

「ま、まっさかぁww

 非公式でしょ? ラップタイムだし、そんな正確に計れるわけないんで(^_^;)」

 

2学期から水泳部部長になった、2年の千葉センパイが慌てて駆け寄ってくる……

 

へ?

 

千葉センパイ「羽田さん、さっき、4泳法(えいほう)ぜんぶ泳いでたよね」

わたし「ええ。」

千葉センパイ「4泳法とも校内新記録

わたし「そ、そんなに驚かないでください、ラップタイムは永遠に公式記録にはならないんだから」

千葉センパイ「そういうことじゃなくて……(;・∀・)

 羽田さん、

 余力ある?

 混メ*1の200*2、いけそう?」

 

わたし「あ、お安い御用で

千葉センパイ「え、え、えええええ」

 

葉山先輩「千葉ちゃん!

千葉センパイ「なんですか、この大事なときに💢」

葉山先輩「メロンソーダもう1杯飲みたい

千葉センパイ「(切迫した表情で)は、葉山先輩のバカ!

 3分間だけ待ちなさい!

 

葉山先輩「(ほっぺたを膨らませて)ぷぅ~

 

どさくさに紛れて(?)、わたしはスタート台に向かった。

 

♪パーン!♪

 

個人メドレーを泳ぎきり、非常に満足なわたし

 

わたし「やっぱり個人メドレーは200ですね。

 これくらいからだに負荷をかけないとーーって、

 千葉センパイ!? 大丈夫ですか?(;・∀・)」

 

千葉センパイが、ストップウォッチを片手に握りしめながら、プールサイドの椅子に座り込んでる。

 

千葉センパイ「い、いや、からだが苦しいとかじゃなくて、ちょっと、ゴールでストップボタンを押した瞬間に、こう、精神的に、グラっと来て……orz

 

 (ほかの部員に向かい)記録、書いてあるよね?」

 

『書きました、書きましたけど、これは……(゜o゜;』

 

千葉センパイ「羽田さん。」

わたし「あっはい」

千葉センパイ「あなた、ほんとうに人間なの?

わたし「やだなー。

 わたしの存在は3次元だって、言わないといけませんかーっ?

 ( ^_^)」

 

あちゃー。

千葉センパイが心配だけど、

葉山先輩にしたって、

さみしそうな顔で、わたしを見つめて、

メロンソーダを飲むことすら、忘れてしまってる。 

 

 

葉山先輩は、からだが弱くて、いつも体育の授業を休んでいる――、

このことは、全校に知れ渡っていて。

 

 

 

*1:「こんめ」。個人メドレーの俗称のひとつ

*2:メートルはふつう省略する