あれ……?
わたし、フランスに来てるみたい。
ヨーロッパ行きのチケットは、葉山先輩の手にわたったはずなのに。
ここ、フランスの、ワイナリーみたい。
!!
おとうさんがいる!!!
テーブルで、わたしの眼の前で、ワイン・グラスを片手に。
おとうさん…❤❤
「愛。」
「おとうさん」
「この赤ワイン、どうだ、一口ぐらいなら、お咎め無しじゃあないかな?」
「それはだめ」
「そうか……父さんらしくないこと、言っちゃったかな?」
「そんなことないよ!
ただ……成人して、一人前になって、ちゃんとしたオトナになって、その時おとうさんと、ワインを一緒に飲めればいいな❤」
「そうだね。」
「父さん、この前、ル・クレジオと会ったよ。」
「(興奮して)ホントに!? (≧▽≦)」
夢だった
愛「こんな時間に、夢、見て、起きた……、
中途覚醒だな(-_-;) ほんとに、もう」
- 作者: J・M・G・ル・クレジオ,鈴木雅生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/03/18
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これは、ル・クレジオが書いた、わたしが好きな本、中等部時代から、ずっと好きな本。
AM3:00
愛「(ル・クレジオを閉じて)( ´Д`)=3」
愛「寝不足の影響かな、あんまり読書に集中できない」
階下
リビング
あっ・・・!
グランドピアノが、視界に入ってしまう。
弾きたい。
もう一度、グランドピアノで弾きたい。
だけど、いま弾くのは、周りで寝てる人に迷惑。
愛はDVDで映画を観ることにした
愛がソファーでだら~っと『スティング』を観ているところに、流さんがやってきた
愛「流さん……どうしたんですか、こんな時間に」
流さん「お手洗いに行って戻ってきただけだよww」
愛「(カーっと赤面する)」
愛「す、すみません、デリカシーないですね、わたし」
流さん「そうかなあ?
『スティング』かぁ。
むかし観たなぁー。
でも、愛ちゃんが、ハリウッドの娯楽映画を観るなんて、意外だね。しかもこんな時間に」
愛「眠れないから再生してるだけです。ヨーロッパのひねった映画は、あまり好きじゃないし、よくわからないから、あまり観ません。
『スティング』にしたって名作だ名作だって騒いでる割には……ハリウッドの限界なんですかね。でもこういう頭空っぽにして観られるエンタメ系の作品のほうがいいし、こういう作品しか観ません。21世紀になってからのコンピュータグラフィックスでゴテゴテにした大作映画! とかは『論外』ですけど」
流さん「か、語るね、けっこう」
愛「わたし映画ファンじゃないです」
流さん「でも、なんか、饒舌だよね?(^_^;)」
そして朝になった
食卓
アツマ「ごっそさん。きょうも美味しかったぞ、愛!」
そう言って、なぜか、愛の右肩をかるくポン、と叩く。
愛「?」
愛「はい、アツマくん、きょうもお弁当つくってあげたよ…」
アツマ「愛さぁん」
愛「なによ」
アツマ「こっち向いて、弁当渡してくれよ。
アサッテの方向を向いて、弁当持ってたぞw」
愛(頬を赤らめて)「………はいっ、弁当!」
アツマ「よーしよし、こんどは、人の目を見て弁当を渡せるようにしような」
愛(頬を赤らめて)「・・・・・・」
アツマ「(あらたまって)・・・・・・あのさ。
うちのクラスの藤村がさ。
『こんど愛ちゃんのピアノを、聴かせてほしい』ってさ。
もし……藤村が、おまえがピアノにいるときに、無茶なこと言い出したりとか、へんなチョッカイ出したりしはじめたら、その、藤村を叩いてやるから、そう、いつかおまえがおれにやったみたいに『ハリセン』でパーンとーー」
愛「アツマくんっ、」
アツマ「ん…」
愛「大好き。藤村さんも大好き」
アツマ「ん(;´Д`)」
愛の女子校
昇降口付近
朝のアツマのことばで、晴れ晴れとした気分で、軽やかな足取りで階段に向かう愛。
と、掲示板に、とあるポスターが貼ってあって、愛はそのポスターに釘付けになってしまった。
【拡散希望】【緊急】挑戦者求む!
文化祭。
葉山先輩に、我こそは勝たんと欲す乙女たちを!!
3本勝負!!!
- クイズ対決
- 料理対決
- ピアノ対決