アツマ(少年ジャンプを読みながら)
理系の天才理珠。
文系の天才文乃。
スポーツの天才うるか。主人公の唯我成幸くんが、この3人の教育係になる。
なぜなら、
理珠は文系科目がダメ。
文乃は理系科目がダメ。
うるかは勉強がダメ。3人とも、自分の得意分野以外は、てんでダメだから、主人公の成幸くんが、3人のダメなところを補ってあげているわけだ。
ただ、文系科目も理系科目もスポーツも、みんな飛び抜けた女子高生が、おれのいちばん身近にいるわけだが・・・
クラスメイトの藤村 「戸部、何難しい顔してんの?」
アツマ「いや、現実は漫画より奇なり、ってよく言ったもんだなあ、と」
藤村「それを言うなら、事実は小説より奇なり、でしょうが」
アツマ「さすが国語が得意科目・・・」
藤村「あんたなんで私大文系クラス選んだの」
アツマ「は?」
藤村「英語と歴史はそこそこ出来るみたいだけど、国語はあまり得意じゃないよね。
もったいないよ、最高の家庭教師がいるのに」
アツマ「うっ・・・」
藤村「なんで現代文がいちばん苦手なのっ」
アツマ「あのなあ、藤村は、愛が俺に本を読ませているんだから、現代文の成績が上がらないはずがない、こう思ってるだろ」
藤村「そ、そのとおりだけど?」
アツマ「本読みまくったら現代文の成績上がる? おかしいよ、あれはウソだ」
藤村「どうして」
アツマ「おれさあ、ここ一年で、読書量が10倍以上増えてるんだよ」
藤村「愛ちゃんのおかげじゃん。じゃーなんで?」
アツマ「たとえ読書量が10倍に増えてもなあ」
藤村「・・・」
アツマ「国語の偏差値は1しか上がらなかったんだよ」
藤村「経験論!? まだわかんないじゃん。
これから、愛ちゃんと本読みを続けていけば、入試のころには偏差値がそれこそーー」
アツマ「読書と試験は別だよ」
藤村「わかってるよ、そんなこと」
藤村「ーーねえ、話は違うけど」
アツマ「なに」
藤村「愛ちゃんとはドコまで進んでるの」
アツマ「はぁ!?」
藤村「あの娘も高校生になったんでしょ」
アツマ「高等部な」
藤村「高等部。
最近大人っぽくなってきたとか、そんなニュースないの、ひとつ屋根の下で暮らしてるんでしょ」
思案するアツマ。
アツマ「髪が・・・少し伸びたかな」
藤村(ニヤニヤ)
アツマは自宅に帰った
アツマ「ちょっと愛に訊きたいことがあるんだけど」
愛「なに?」
アツマ「えーっと、(なぜか勿体ぶって)」
愛(え、な、なんで言い出さないのかな)
アツマ「あー、そうだ!」
愛(なぜかドックン! という心臓の高鳴り)
アツマ「最近読んだ漫画でさ」
愛「(しおれるような声で)なんだ、漫画か(-_-;)」
アツマ「漫画のなにが悪いんだよ。
最近読んだ『ぼくたちは勉強ができない』っていう漫画で、模擬試験で、数学で200点満点を取る女の子と、国語で200点満点を取る女の子が出てくるんだけど。
数学で満点取るのは、まあ可能性はあるわな」
愛「そうね。わたしも中等部時代数学で満点取ったことが何度かあるわ」
アツマ「だろ?
でもさ、国語で200点満点取るのって、ほんとうに可能なのか?」
愛「ものによるでしょ。
これまでのセンター試験みたいな完全マークシートだったら、とうぜん、200点満点取るひとが出てくるわよね?」
アツマ「たしかに」
愛「同じ200点満点のテストでも、全部マーク式か、それとも記述式の問題もあるのか、で、事情は大きく変わってくると思うわ」
アツマ「で、単刀直入に訊きますが、愛さんは、いまの学校での国語のテストで、満点を取ったこと、ありますか?」
愛「ないわ」
アツマ「ずいぶん即答で・・・」
アツマ「なんで満点取れないんだ、やっぱ記述式か、それとも漢字か」
愛「漢字の問題を間違えるなんて、馬鹿げてるわ」
アツマ「あ、はい」
愛「でもねえ、つまらないミスで、漢字の問題とか、選択肢の問題とかで、点を落としたことはあるわ」
アツマ「選択肢を書き間違えた?」
愛「それもあるにはあるけど・・・そもそも、間違った解答を選んでいただけ、ってことも」
アツマ「へえ、愛でも、間違えることあるんだ」
愛「わたし、人間よ? ロボットや人工知能じゃないのよ!? 間違えないほうがおかしいでしょっ」
アツマ「たしかに・・・俺はトンチンカンな選択肢をマークしてばっかりだけど・・・(^_^;)」
愛「あとね、記述式問題で減点されたことは、ほとんどないわ」
アツマ「ほとんどってことは、減点されたこともあるんだ。
じつに人間らしいじゃないかw」
愛「うるさーーーーーーーーーーーーーーーーい!!」