学年トップの優等生でも満点は取れない

 

ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)

ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)

 

 

 

アツマ(少年ジャンプを読みながら)
  

 理系の天才理珠
 文系の天才文乃
 スポーツの天才うるか

 主人公の唯我成幸くんが、この3人の教育係になる。
 

 

 なぜなら、

 理珠は文系科目がダメ。
 文乃は理系科目がダメ。
 うるかは勉強がダメ。

3人とも、自分の得意分野以外は、てんでダメだから、主人公の成幸くんが、3人のダメなところを補ってあげているわけだ。

 

ただ、文系科目も理系科目もスポーツも、みんな飛び抜けた女子高生が、おれのいちばん身近にいるわけだが・・・

 

 


クラスメイトの藤村 「戸部、何難しい顔してんの?」

アツマ「いや、現実は漫画より奇なり、ってよく言ったもんだなあ、と」

藤村「それを言うなら、事実は小説より奇なり、でしょうが」

アツマ「さすが国語が得意科目・・・」

藤村「あんたなんで私大文系クラス選んだの」

アツマ「は?」

藤村「英語と歴史はそこそこ出来るみたいだけど、国語はあまり得意じゃないよね。

 もったいないよ、最高の家庭教師がいるのに」

アツマ「うっ・・・」

藤村「なんで現代文がいちばん苦手なのっ」

アツマ「あのなあ、藤村は、愛が俺に本を読ませているんだから、現代文の成績が上がらないはずがない、こう思ってるだろ」

藤村「そ、そのとおりだけど?」

アツマ「本読みまくったら現代文の成績上がる? おかしいよ、あれはウソだ」

藤村「どうして」

アツマ「おれさあ、ここ一年で、読書量が10倍以上増えてるんだよ」

藤村「愛ちゃんのおかげじゃん。じゃーなんで?」

アツマ「たとえ読書量が10倍に増えてもなあ」

藤村「・・・」

アツマ「国語の偏差値は1しか上がらなかったんだよ」

藤村「経験論!? まだわかんないじゃん。
 これから、愛ちゃんと本読みを続けていけば、入試のころには偏差値がそれこそーー」

アツマ「読書と試験は別だよ

藤村「わかってるよ、そんなこと」


藤村「ーーねえ、話は違うけど」

アツマ「なに」

藤村「愛ちゃんとはドコまで進んでるの

アツマ「はぁ!?」

藤村「あの娘も高校生になったんでしょ」

アツマ「高等部な」

藤村「高等部。
 最近大人っぽくなってきたとか、そんなニュースないの、ひとつ屋根の下で暮らしてるんでしょ」

 

思案するアツマ。

 

アツマ「髪が・・・少し伸びたかな

藤村(ニヤニヤ)

 

アツマは自宅に帰った

 

ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)

ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)

 

 

アツマ「ちょっと愛に訊きたいことがあるんだけど」

愛「なに?」

アツマ「えーっと、(なぜか勿体ぶって)」

愛(え、な、なんで言い出さないのかな)

アツマ「あー、そうだ!」

愛(なぜかドックン! という心臓の高鳴り)

アツマ「最近読んだ漫画でさ」

愛「(しおれるような声で)なんだ、漫画か(-_-;)」

アツマ「漫画のなにが悪いんだよ。

 最近読んだ『ぼくたちは勉強ができない』っていう漫画で、模擬試験で、数学で200点満点を取る女の子と、国語で200点満点を取る女の子が出てくるんだけど。

 数学で満点取るのは、まあ可能性はあるわな

愛「そうね。わたしも中等部時代数学で満点取ったことが何度かあるわ」

アツマ「だろ?

 でもさ、国語で200点満点取るのって、ほんとうに可能なのか?

愛「ものによるでしょ。

 これまでのセンター試験みたいな完全マークシートだったら、とうぜん、200点満点取るひとが出てくるわよね?

アツマ「たしかに」

愛「同じ200点満点のテストでも、全部マーク式か、それとも記述式の問題もあるのか、で、事情は大きく変わってくると思うわ」

アツマ「で、単刀直入に訊きますが、愛さんは、いまの学校での国語のテストで、満点を取ったこと、ありますか?

愛「ないわ

アツマ「ずいぶん即答で・・・」

 

アツマ「なんで満点取れないんだ、やっぱ記述式か、それとも漢字か」

愛「漢字の問題を間違えるなんて、馬鹿げてるわ」

アツマ「あ、はい」

愛「でもねえ、つまらないミスで、漢字の問題とか、選択肢の問題とかで、点を落としたことはあるわ」

アツマ「選択肢を書き間違えた?」

愛「それもあるにはあるけど・・・そもそも、間違った解答を選んでいただけ、ってことも」

アツマ「へえ、愛でも、間違えることあるんだ

愛「わたし、人間よ? ロボットや人工知能じゃないのよ!? 間違えないほうがおかしいでしょっ

アツマ「たしかに・・・俺はトンチンカンな選択肢をマークしてばっかりだけど・・・(^_^;)」

愛「あとね、記述式問題で減点されたことは、ほとんどないわ」

アツマ「ほとんどってことは、減点されたこともあるんだ。

 じつに人間らしいじゃないかw」

愛「うるさーーーーーーーーーーーーーーーーい!!