「ほら、入れよ」
「お邪魔します」
「ちょ、いきなり本棚チェックかよ(-_-;)」
「本棚と言える本棚がないじゃないの」
「ちょっと言ってる意味がわからないのですが」
「あんた、ほんとうに本を読まないのね」
「昔よりは読んでると思いますが、あんたのおかげで」
「個性がない・・・・・・」
「何が!?」
「CDの棚に個性がない。『とりあえずこれを聴いとけば、見栄を張ることができる』って感じ。流行の『良い音楽』を後追いしてる感じ」
「ケッ、悪かったな(゜-゜)」
「おい、きょうは暑いだろ、クーラーつけっぞ」
「・・・・・・」
「受け応えはちゃんとしような」
「・・・・・・」
気がついたらアツマのベッドに座って、うつむいて身体を小さくしている愛なのであった。
「寝たかったら寝ろよ」
「お断りします(ゴロン)」
「な・・・・・・!
言ってることとやってることが食い違ってるじゃねーか!!」
愛はスヤスヤ寝てしまった。
「けっきょくおれの部屋にまで来て何がしたかったんだこいつは」
タオルケットを掛けてやり、目を覚ますまで、机で『課題図書』を読むことにした。もちろん愛が出した『課題』だ。
『利比古(としひこ)・・・・・・こっち来て・・・・・・わたしが髪をといてあげるからね・・・・・・』
(どんだけブラコンなんだ、こいつは)