・終業式が終わりーー
アツマ「やったあああああ!! 冬休みだあ」
愛「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン」
アツマ「は!? 開始3行目で暴力描写!?」
愛「なにわけのわからないこと言ってんの!? とりあえず宿題終わらせるわよ」
アツマ「だれの」
愛「あんたのに決まってるでしょ」
アツマ「冬休みの宿題は1月4日から片付けに行くもんだろ」
愛「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パパパパーン」
愛「それもこれもあんたが『やるべきこと』より『やりたいこと』を優先させるからでしょうが」
アツマ「だめなの」
愛「なに寝ぼけたこと言ってんの!?」
アツマ「じゃあお前は『やりたいこと』より『やるべきこと』を優先させるのかよ」
愛「当然よ」
アツマ「うわ~w 人生生きにくそう~w」
愛「( ゚Д゚)ハァ!? やるべきことよりやりたいことを優先させるなんて人の道に外れてるでしょう」
アツマ「あのね、君はね、気負いすぎなんだよね」
愛「は!? その言い方気色悪っ💢」
アツマ「まーまーまーまーまー」
愛「?」
アツマ「(諭すように)気負い過ぎたら、去年のクリスマスみたいなことになっちゃうだろ?」
愛「あ……(-_-;)」
あすか「ちょっとお兄ちゃん! なにお姉さんのつらい過去をほじくり出そうとしてんの💢」
アツマ(呼び方は『お姉さん』で確定してしまったのか……)
愛「流さんは」
アツマ「あっ」
愛「流さんはどうせ今年もイヴに彼女さんとーー」
アツマ「ストップストップストップ!! 少年誌の枠を逸脱してしまう」
愛「なにわけのわからないこといってんのw」
アツマ「おまえ」
愛「なに」
アツマ「おまえ、無理に笑おうとしてるだろ、顔に出てるぞ」
愛「そんなことないよ」
アツマ「もっと自然に笑えよ」
愛「……、
バカ!!」
あすか「ちょっとお兄ちゃん💢 お姉さん部屋に引っ込んじゃったじゃない💢」
アツマ「いや、俺は、ほんとうのこと言っただけだよ」
あすか「なんて偽善!」
アツマ「だって、あいつ、しゃべらなきゃ、いい顔してるんだよ」
あすか「いい顔?」
アツマ「そうだよ、将来いいお嫁さんになりそうな」
あすか「……」
アツマ「妹よ」
あすか「なに」
アツマ「ニキビが出来てるぞ」
あすか「お兄ちゃんのバカ!!」
アツマ「嗚呼、ふたりとも部屋にこもってしまった……」
流さん「ちょっと、言い方がまずかったかもしれないね」
アツマ「おや流さん」
流「あんまり過激にやると、また愛ちゃんを泣かせてしまうからね」
アツマ「いや、あの時、愛を泣かせたのは、流さんじゃなくて俺だよ」
流「いや、泣かせた責任はぼくにあると思う」
アツマ「違うよ、愛が勝手に突っ走っちゃった部分も大きいし、俺に勉強教えてるときに俺が泣かせちゃったんだし」
流「ぼくのほうがアツマより大人じゃなかった」
アツマ「ほんとに?」
流「ほんとうに」
アツマ「でも、愛がしばらくじぶんひとりで眠れなくなったのは、俺のせいだよ」
流「きみも結構背負い込むね」
アツマ「思ったより豆腐メンタルですから」
流「さっき愛ちゃんが立派なこと言ってたね、『やりたいこと』より『やるべきこと』を優先させるのが人の道だって」
アツマ「俺が大人になりきれないだけの話だよ。もし『大人になって』って言われても、拒絶するのが俺だよ」
流「うーむ」
アツマ「どうしたん」
流「……( ^ω^)」
アツマ「なんですかその意味深な笑顔」
流「あのさ、愛ちゃんの『やりたいこと』って何なんだろう?」
アツマ「そりゃ本を読むこととピアノ弾くことに決まってるでしょ」
流「そりゃそうだけどさw もっと根源的な何か……」
アツマ「観念的な話になってきちゃったな」
流「アツマよ」
アツマ「うん」
流「愛ちゃんに、読書と音楽のほかに、幸せなことを与えたくないか」
アツマ「キザだなあ」
流「ささやかな、クリスマスプレゼントだよ……」
いまこんな本を読んでいるよ byアツマ
こんな本を読みました by愛
日本文学100年の名作第1巻1914-1923 夢見る部屋 (新潮文庫)
- 作者: 池内紀,松田哲夫,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/08/28
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