編集部員がひとり増えることになった。
小鳥遊七鳥子(たかなし なとこ)、新卒ホヤホヤの女の子だ。
編集長「~というわけで、彼女の教育を頼むよ」
圭二「テル(輝三)かさつきさんで良かったんじゃないんですか」
編集長「いや……どうもね、彼女は、日本国民がほとんど知っていると言っても過言ではない平成のヒット曲をほとんど聴いたことがないそうなんだ」
圭二「それは……クラシック専とかジャズ専とかじゃないでしょうね? :(;゙゚'ω゚'):」
編集長「馬鹿かお前は!! クラオタやジャズオタの教育をお前に振るわけないだろうが」
圭二「たしかに。
じゃあ、きっと帰国子女とかでーー」
編集長「いや、れっきとした純ジャパだ。日本文学専攻で、萩原朔太郎を卒論の題目にしたらしい」
圭二「えっ……(;´Д`)
いったいどういうことですか、それは?」
編集長「(電子タバコを咥えて)彼女ーー小鳥遊はだな、読書や映画鑑賞が趣味だが、音楽を聴かないらしいんだ」
圭二「( ゚Д゚)ハァ?」
謎の新入部員
圭二「小鳥遊七鳥子(たかなしなとこ)さん」
七鳥子「はい。」
圭二「編集長は面接でどういう振舞でしたか?」
七鳥子「いや~wダメ出しばっかりで、『ここに来る必然性はあったの?』とか言われまくったんで、正直内定出るとは思わなかったんですww」
圭二(『通る』パターンだ……)
圭二「編集長がどういう意図で貴女を採用したかは知りませんが……。
これからちょっとしたテストをします。
今から曲を流すので、聴いたことがあれば『ある』、聴いたことがなければ正直に『ない』と言ってください」
七鳥子「わかりました」
テスト1
圭二はワンコーラス流した
圭二「どうでしょうか?」
七鳥子「ないです」
圭二「貴女は1995年生まれでしたよね?」
七鳥子「はい」
圭二「だとしたら、生まれる前の楽曲なので致し方ないかもしれませんけれども…(;・∀・)」
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圭二「今流したのはMr.Childrenの『innocent world』という曲です。もちろんMr.Childrenというグループ名は知ってますよね?」
七鳥子「名前だけ」
のたうち回る圭二
七鳥子「だ大丈夫ですか!? (゜o゜;) 顔色がいきなり悪くなりましたよ!?」
圭二「ちょ……ちょっと休憩した後でテスト2ね」
テスト2
圭二「これは、貴女が生まれた年にヒットした曲で、Mr.Childrenとしばしば比較対象にされてきたグループの曲です。わかりましたか?」
七鳥子「いいえ(力強く即答)」
圭二「(沈黙)」
七鳥子「(沈黙)」
圭二「(沈黙)」
七鳥子「(沈黙)」
圭二「(沈黙)」
七鳥子「あのーー」
圭二「:(;゙゚'ω゚'):ブシュウウウウウウウウウウ」
(圭二、泡を吹いて倒れる)
七鳥子「た、大変!!! (´゚д゚`)」
副編集長「これは119番やろうな」
編集長「残念ながら当然」
七鳥子「わ、わたしが悪いんです…… ( TДT)」
副編集長「責任は誰にもないんや、この場合」
編集長「ああ。
スピッツの『ロビンソン』を君が知らないのは、罪でもなんでもないんだよ」
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