【愛の◯◯】スポーツに詳しくないスポーツ新聞部顧問!?

あすかです!

 

さて、きょうも部活部活~と思ったら、活動教室の扉の前に、

国語の椛島澄(かばしま すみ)先生が、

仁王立ちしているではありませんか。 

 

椛島先生だ。ご用ですか? スポーツ新聞部に」

「あすかさん。

 (怒りっぽく)…中村くん。

 中村くん、いるかしらっ」

「中村くん…ああ、部長ですね。

 おそらくもう来てると思いますよ。

 このところ、授業終わったらここの教室に直行してるみたいですから。

 

 でもどうして?」

「中村くんを叱りにきたのっ💢

 

 彼、宿題未提出の常習犯なのっ💢💢」

 

あー。

(^_^;)想像できちゃうなー。 

 

× × ×

 

ガラッ

 

中村部長「やあ、あすかさん。それに、椛島先生」

椛島先生「『それに』じゃないです、中村くんっ!!」

中村部長「おぉっと」

椛島先生「宿題!💢

 冬休みの漢文の宿題、出してないでしょっまだ!?

 あいも変わらず!!

 

 まさか、『漢文は受ける大学の入試に出ないからやらない』とか思ってないでしょうね!?!?」

中村部長「思っていません!」

椛島先生「じゃあなんで提出しないのかなあっ、

 先生、怒ってるんだよ???

 わからないかなあっ???

 こうやって、わざわざ部活の教室まで、あなたを追いかけてるんだよっ?💢💢

 わかってよ、わたしの苦労…

 

あえぎ始める椛島先生……

 

ほんとうに、中村部長に手を焼いているみたいだ。

 

なんだか、椛島先生、くたびれ方がリアル。

若いのに……。 

 

中村部長「椛島先生、息切れですか?」

椛島先生「ひどい、ひどいひどい中村くん」

 

わたし「(^_^;)まあまあ落ち着いてください、先生」

 

 

桜子さん「そういえば、

 椛島先生って、スポーツ新聞部の顧問でしたよね?」

 

椛島先生「Σ(;・∀・)

 

わたし「えっ、それホントですか」

 

椛島先生「(うろたえ気味に)そうよ、あすかさん、

 そうなの、

 

 ーーこれまでは、サブ顧問的な立場で、

 メイン顧問の先生の影に隠れてた。

 

 でも!

 

 新学期になったとたん、

 そのメイン顧問の先生に、」

 

桜子さん「『来年度からはおまえがメイン顧問になれ』と言われたんですね」

椛島先生「そう!

 

 (桜子さんの手を取って)一宮さん、わたしどうすればいいのかしら?

 

  引き受けるか、引き受けないか、そこが問題、だった、

  けれど、事の成り行きは、必然で。

  ああ、どうしてわたしはスポーツ新聞部の顧問なの。

  しかも来年からはメイン顧問で。

  ああ、そしてどうして、中村くんは中村くんなの?

  中村くんはどうしてスポーツ新聞部のボスなのよ」

 

桜子さん「先生だいじょうぶ、中村部長は卒業します」

椛島先生「おお、ロミオ!!」

桜子さん「ロミオじゃないです」

 

わたし「椛島先生……

 学生時代、演劇部だったんですね」

 

 

椛島先生「どうしてわかるの…!?

 

 

(ずっこけるわたしと桜子さんと中村部長)

 

 

× × ×

 

岡崎さん「椛島せんせーい、いま、おれたち、プロ野球の順位予想をしてるんですよー」

 

椛島先生「(きょとんとして)順位予想ーー??

 

 それは、何位から、何位まで」

 

岡崎さん「(眼を丸くして)先生、プロ野球はぜんぶで何球団か、わかりますか?」

 

椛島先生「えっ…わからない」

 

岡崎さん「(眼を見開いたまま)12球団です。

 そしてセ・リーグパ・リーグで、6球団ずつに分かれるんです」

 

椛島先生「岡崎くん、どうしてそんなに野球に詳しいの……

 

 

(ずっこける岡崎さんと瀬戸さん)

 

 

わたし「ダメですよぉ岡崎さんも瀬戸さんも。知らない人はとことん知らないってこともあるんですから」

中村部長「そうだよ、色眼鏡、ってやつだ。

 

 先生、たとえばセ・リーグの順位予想をするとして、いま岡崎が言ったように、セ・リーグぜんぶで6球団しかないので、1位から最下位の6位まで予想するんです。

 全順位を予想しても720通りしかないから、簡単ですよw」

 

椛島先生「…中村くん、理系なの??」

中村部長「いいえ文系です」

椛島先生「だったらなんで『720通り』なんて数字がすらすらと出てくるの」

中村部長「♪~(´ε` )」

椛島先生「しらばっくれないでよ

 

わたし「先生もセ・リーグの1位、予想してくださいよ」

 

椛島先生「えっ……でもわたしが知ってるチーム、巨人と阪神だけ」

 

(^_^;;)こりゃー「本格的」だなー。

 

わたし「じゃあ、巨人と阪神だったら、どっちがより優勝に近いと思われますか?」

 

椛島先生「それは…巨人じゃないの」

 

わたし「では、セ・リーグパ・リーグだと、どっちが強いのか、」

瀬戸さん「あすかさんちょっとタンマ、

 先生は、セ・リーグパ・リーグって概念も、知らないんだろう?」

わたし「あっ」

 

椛島先生「え…気になるよ。セ・リーグパ・リーグ、どっちが強いとか弱いとかあるものなの」

 

瀬戸さん「先生、パ・リーグのほうが強いんです」

 

椛島先生「瀬戸くん…言い切れるものなの、それって!?」

 

桜子さん「先生」

椛島先生「うん」

桜子さん「来年度からわたしが部長になるんですが」

椛島先生「はい」

桜子さん「あしたから10回に分けて、『なぜセ・リーグよりパ・リーグのほうが強いのか』を説明するために、あすかちゃんと瀬戸くんに『日本シリーズ』についてレクチャーしてもらいます」

椛島先生「にほん…シリーズ。

 

わたし「(^_^;)」

瀬戸さん「(-_-;)」