【愛の◯◯】姫が一目惚れなんてするはずがない

星崎家

姫の部屋

 

星崎姫。

大学生。

1年生。

 

水曜の朝、

きょうは、

いつもより、

少し入念に、

髪を梳(と)かす。

 

 

そしてわたしは『はぁ…』と嘆息し、

きのうの出来事を反芻(はんすう)して、

机の引き出しから、

あのひと」が拾ってくれたノートを取り出す。 

 

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

↑検証VTR

 

 

 

きのう、

大学の、

構内で、

わたしが、

うかつにも、

ぶつかってしまった、

男のひと、

たぶん学年は、

2つくらい上の、

おとなな感じのひと、

 

前にも、

大学で、

わたしが、

落としたノート、

今では、

引き出しに、

大切にしまってある、

このノートを、

あのひと」 が拾ってくれて、

一目惚れだった。

 

「ーー寝癖がきちんとならない。

 もっときちんとしてよ、わたしの髪のバカッ、

 

 ーーわたしのばか。

 わたしって、かなり、ばか。

 

 ひとめぼれなんて、

 ひとめぼれなんて、

 ひとめぼれなんて……、

 

 

 お米の品種でじゅうぶんじゃないのっ(と、ブラシを投げ出す)」