戸部邸
「アツマくん、お出かけ?」
「今日からバイトなんだよ」
「あー、葉山先輩ご紹介の」
「カフェのホールスタッフ…」
「立ちっぱなしだね」
「それはまあ体力的には問題ないんだけど」
「葉山先輩がお店に来て、アツマくんの制服姿見たら、なんて反応するのかしらねw」
「(~_~;) ーーある程度は覚悟してる。」
「葉山先輩だけじゃないかもよ。葉山先輩の伝手(つて)で、八木センパイとか小泉センパイとか」
「ああ、そういう横のつながりもあったな…」
「わたしも来ようかな?」
「他人のふりしてやる」
「えー!! ひっどいww」
× × ×
「じゃあ行ってくるから」
「ちょっと待って! アツマくん」
(ふぁさっ。)
愛が、
バイトに行こうとするおれの首に、
タオルを、ふぁさっ。 と掛けてくれた。
「…これは何? 愛」
「なにって、タオルに決まってるでしょ。
これからずーーーーーっと暑くなるんだから」
「ハハ…ありがたく、受け取っておくよ」
「じゃ、時間に遅れるといけないから」
「うん、がんばってね、アツマくん!!」