オッス、おれアツマ。
夏休みのバイトを探しているんだが、どうにもこうにも手応えがなく、くたびれて帰宅した。
するとーー。
戸部邸
リビング
「(;´Д`)あ、あ、愛、てめえ!!!!!!!
まただらしない服装に逆戻りしやがって💢」
『あら、おかえり、アツマくん』
「Σ(@_@;)ギョギョッ、そ、その声はーー、
愛じゃなくて、葉山なのか!?」
orz誤認した……!
スウェットを着て、ソファーでくつろいでいたのは、
愛ではなく、愛のスウェットを着た葉山だった…orz
「(ヨーグルトを食べながら)これ、サイズピッタリw」
bakhtin19880823.hatenadiary.jp
どうやら、愛と葉山のあいだで、服をとっかえっこするのが、流行っているらしい。
「はやまぁ」
「なに戸部くん」
「お、おれのまえではその格好でいることができるとしても、」
「…!」
「きょ、キョウくんの、まえだと、どうかなぁ???」
途端に、葉山の顔が真っ赤になった。
『幼なじみ』、最強のトラップカード……!
× × ×
葉山が平静を取り戻すまで、少し待ってあげた。
(-_-;)スウェットは着たままがいいらしい。
「ところで愛は?」
「羽田さんならどっか行ったよ」
「どこに」
「さぁ…w
それよりも戸部くん、戸部くん」
「なんだよ?」
「あなたバイト探してるそうじゃない」
「愛のやつがタレこみやがったのか」
「残念ながら。
……わたし、いいお店知ってるんだけど」
「雀荘とかいうオチはなしな」
「まっさかぁ~ww」
「葉山の、行きつけの喫茶店?」
「そう。
わたしの家の近くなんだけど。
スタッフさんと仲良くなって。
ちょうど、人手がほしいそうよ」
「もうちょいそれくわしく」
「(*´-∀-)フフフ……」
「かなり長時間労働だけど、戸部くんの持久力だったら問題ないよね」
「(コクン、コクン)」
「連絡先書いて渡してあげるね。
ところで、さ……」
「?」
「バイトするってことは、お金がほしいのよね」
「ああ」
「何に使うの?」
「……大学生が、母さんからお小遣いもらうのも、おかしいだろ」
「うまく答えになってないよww」
「(-_-;)ーーくっ」
「冬休みにさ、旅行に行きたいんだ」
「羽田さんと?」
「まぁな。
正確には、『愛を旅行に行かせたい』っていったほうがいいかもなあ。
あいつ最近また不安定になったし。
来年度は、愛も受験で、旅行どころじゃなくなっちまうから、さ」
「優しいね……。
どうりで羽田さんが惚れちゃうわけだw」
「よけいなひとことをw
ーーところで、葉山のほうはどうなんだ?」
「えっ!? なにが」
「…コンディションだよ。
梅雨明けみたいだけど、季節の変わり目は、ほら、負荷がかかっちゃうだろ。」
「わたしのこと、気にしてくれてるの? 戸部くん」
「ん……いろいろ、葉山の事情も、呑み込めてきちゃってる、から」
「どうしてそんなに戸部くんは気くばりがきくの……」
あ、あれ、
葉山の声が、震えてきた。
嬉し泣き、ってヤツですか?
(・_・;)葉山さんよ…… 。
「戸部くん」
「はい、ティッシュ」
「す、すごい気配り!w」
「(・_・;)こ、ここで愛が帰ってきたら、何されるか、わかったもんじゃないんで」
「案外心配性なのねww」
なにはともあれーー、
夏休みのバイト、決定しそうだ。
やったぜ。