【愛の◯◯】風を切って疾走(はし)ってみたい

月曜日。

あたらしい1週間のはじまり。

そして7月のはじまり。 

 

放課後

スポーツ新聞部

活動場所

の教室

 

わたし「(頬杖をつき)…はーっ」

桜子さん「テンション低いね、あすかちゃん」

わたし「気圧の関係ですかね……」

 

<ガラッ

 

桜子さん「あ、マオさんだ」

マオさん「(どよんどよん)」

桜子さん「マオさんも気圧にやられたんですか?」

マオさん「……ソースケは?」

桜子さん「部長ですか? 部長はジ○ンプを買いにコンビニへ」

マオさん「なんなのよあいつ!?

 いったんコンビニに行って、また学校に戻ってくるわけ!?

 いい根性ね!!

わたし「(^_^;)……たしかに。」

 

わたし「マオさん、部長を探してたんですか? どうして」

マオさん「あいつ今朝の新聞に架空インタビュー載っけたでしょ」

わたし「(^_^;)ああ…w 架空の海外サッカーリーグと架空の海外クラブと架空の大物選手をでっちあげて」

マオさん「センスがないよね」

わたし「(^_^;)そうですかね」

マオさん「だから『センスがないよね』って言いにきたのに!!

 

マオさん、悔しそうだけど、一方で、部長が不在で、さみしそうにも見える。

 

桜子さんが意味深な表情をしているのはなぜ……。 

 

マオさん「あすかちゃん元気ないね」

わたし「ジメッとしてませんか? きょう」

マオさん「まぁ、こんな季節だし仕方ないね」

 

× × ×

 

マオさん「(手を打ち鳴らして)よし!

 ソースケも消えたことだし!

 あすかちゃん、サッカー部行こう!!」

 

どっきん。

 

わたし「(・_・;)どうしてそんな唐突に」

マオさん「うちの部活取材したら元気出ると思うよ!?」

わたし「桜子さん、どうしましょう」

桜子さん「(不敵な笑みを浮かべ)・・・・・・」

わたし「な、なにか言ってください」

桜子さん「(  ^ω^)・・・・・・」

わたし「(;´Д`)どうして黙るの!?

 

× × ×

 

けっきょく、サッカー部の練習場に来た。

「来てしまった」といったほうがいいかもしれない。

 

 

…ハルさんと会うことに対して、『期待』よりも『不安』のほうが、だいぶ大きくなってきている。

 

マオさん「コラ!! ハル、へばってんじゃないよ」

ハルさん「へばってません!!

 

わたし「(゜o゜; は、ハルさんが、怒鳴り返してる」

 

マオさん「(ちょっと焦って)げ、現にへばってんじゃないの。

 口だけ?

ハルさん「マオさんだって

マオさん「生意気な💢」

 

ハルさん「選手は!! 口じゃなくて!! 本来足を動かすんです!!!

 マオさんも走ってみたら、どうですか!?

 

マオさん「だ、だまれだまれだまれ

 

わたし「・・・アツい。

 ブカツ、っていう感じがする

 

マオさん「えっ」

 

ハルさん、それっきり何も言わず、黙々と走り込み続けている…。 

 

マオさん「あすかちゃん、微熱でも出た? 顔が火照(ほて)ってきてるよ」

わたし「元気が出ました

マオさん「えっ?」

わたし「わたしも走り出したい、ぐーーーんって走ってみたい

マオさん「(-_-;)あすかちゃん、スカートはいてるでしょ、いま……」