【愛の◯◯】わたしの不安を受け止めて…

読書量セーブ生活、初日。 

 

放課後

 

とりあえず、図書館で自習……。

 

あれ?

 

勉強するってことは、

教科書、読んでるってことで、

あんまり「読書」と変わらないんじゃないのか、

という疑問が出てきた。

 

じゃあ「本」って、いったいなんなの。

この教科書の出版社、東京「書籍」だし。 

 

辞書は?

雑誌は?

 

なにが本で、なにが本じゃないのか、

わたし、わかんない。

 

「(わたしの肩にぽん、と手を置いて)羽田さん、部活終わりの時間だよ」

「伊吹先生。

 もうそんな時間ですか。

 部活終わりって言っても、きょうわたし部活に参加してませんけど」

「こまかいことはどうでもいいのよ。

 羽田さん、鬼気迫る勉強ぶりだったよね、ねえ香織さん?」

 

そんなに集中してたのか、わたし。

(>_<;)読書にもこのくらい集中できればいいのに……! 

 

 

 

 

 

戸部邸

じぶんの部屋で、机に向かう

 

「ふう」

 

「できるだけ、長く、読んでみよう」

 

~読書チャレンジ中~

 

10分後

 

「(-_-;)だ、だめだあ、もうげんかいだあ」

 

 

わたしの精神(こころ)が、本に拒絶反応を示しているのか、

本が、わたしを拒絶しているのか、

皆目見当がつかない。 

 

渡り廊下

コーヒーでも飲もうと思って、

フラ~リと部屋の外に出た、

ら。 

 

「どうしたあ?」

「(@_@;)アツマくん」

「目が回りそうじゃねえか」

「(@_@;)うん、たぶん、まわってるんだと思う」

「おいおい」

 

とりあえず、

アツマくんのからだに、

真っ正面から倒れこむ。 

 

「おい」

たすけて、ピンチなの。

 正義の味方が必要なの

「…愛さん??」

 

 

「……『また』本が読めなくなっちゃった」

 

アツマくんにすがりついたからって、

なにも変わるわけじゃない。

 

だけど。

 

いまのわたしの不安を受け止めてくれる、

正義のヒーローは、

アツマくんだから、

アツマくんの胸の中に、

気がついたら、顔をうずめていた。