【愛の〇〇】読書がピンチ!!

放課後

図書館

 

「羽田センパイ」

 

「……羽田センパイ?

 疲れてるんですか?」

 

「( ´ㅁ` ;)川又さん……。

 本読むの、しんどい……

 

「ど、どうしちゃったんですか、せんぱい!?!?

 せんぱいがせんぱいじゃないみたいじゃあないですか!!」

 

「川又さん、ごめん、この本、棚に戻してきて……。

 保健室寄って、帰る……」

 

 

 

保健室

保健の一ノ瀬先生に、

弱音を吐いた。

 

「10ページ読むと、疲れちゃうんです」

「気がかりなことは?」

「特には…」

「ちゃんと睡眠時間、とれてる?」

「('﹏*๑)…ちょ、ちょっと、短いかも」

「夜更かししてるの?」

「いいえ、勝手に眼がさめるんです」

 

「(優しく)前にも、本読むのがイヤになったことあった?」

「ありました」

「そのときは、どうやって乗り切った?」

 

い、

言えるわけない、

アツマくんの助けを借りたなんて。

 

 

でも。

 

「す、す、す、すきな男の子に、なぐさめてもらいました」

「(唖然)」

 

「でもわたし! 今度こそ自分のことは自分で解決したいんです。

 だって、わたしから読書を取ったら、なんにもなくなっちゃう、」

「コラ、そんなこと言わないw」

 

一ノ瀬先生が、

わたしの両肩に手を置いて、

じーっとわたしを見つめている。

 

「思い詰めすぎだよそれは。読書を重くとらえすぎ。

 本が読めなくなったぐらいで、なんにもなくなっちゃうわけないじゃん。

 余裕がないのね、きっと。

 そういうときは、すこし離れてみるのよ。」

「離れるってーー、読書から離れるって、ことですか」

「そう!」

「こわいです、一生読書ができなくなっちゃいそう」

「そんな大袈裟な考えに行き着くときこそ、離れてみるものよ。」

 

「完全にパタッとやめるのがこわいなら、減らしてみればいいじゃん。

 1日10ページとか」

「( ºωº ;)す、すくなすぎます!!」

「そう? 

 リハビリだと思って、やってごらんなさい」

 

「一ノ瀬せんせえ……(こらえきれず抱きつく)」

「あららw」

 

 

 

わたしは、

いったん読書から、

距離を置いてみることにした。