【愛の◯◯】アツマくんの手加減しらず!!

きょうは、文芸部に行くかわりに、某部活に「ある約束」を取り付けて、満足して帰ってきた。

 

いまは、いつものソファーにでろ~んっと寝転んでいるところ。 

 

藪から棒のアツマくん「なんだ、だらしないぞ。

 あっ、『ヒカルの碁』読んでたのか」

 

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

ヒカルの碁』の作画者である小畑健さんの絵の上手さに驚嘆して、感銘を受けてしまったわたしは、昨日の夜、アツマくんから、『ヒカルの碁』の単行本を、1巻から5巻まで借りたのです。

 

わたし「うん、読みふけってた、さっきも」

アツマくん「まじかよ」

わたし「アツマくん、面白いね、この漫画。

アツマくん「辛口の愛もうならせる、さすが名作だな……(;・∀・)」

わたし「明日美子さんが好きそうw」

アツマくん「よくわかったなw」

 

 

姿勢を正してソファーに座ったわたし「囲碁や将棋もいいんだけど…」

アツマくん「なんだぁ? 麻雀できるのか?」

わたし「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) ドパパパーン」

アツマくん「そ、そんなわけなかったよなww(^_^;)」

わたし「アホ!

 

わたし「どうやったら囲碁や将棋からマージャンっていう思考回路になるの?

 まったく。

 チェスよ、チェス

 

 

 

ディフェンス

ディフェンス

 

 

わたし「ウラジミール・ナボコフの『ディフェンス』って小説をむかし読んだことがあるの。

 天才的なチェス・プレイヤーが出てくるのね……ま、ナボコフ作品だし、『チェスを題材にしました~w』で終わりじゃあないんだけど。

 文体とか。

 

 ちなみに訳者の若島正さんも、凄腕のチェス・マスターで、将棋でいうところの『詰将棋』にあたる『チェス・プロブレム』の世界的に有名な作者でもあるのよ」

 

アツマくん「詰将棋を自分で作るようなもんか……すごいね」

わたし「実はナボコフも『チェス・プロブレム』を作って発表したことがあるらしいの。全然完成度は高くなかったらしいけど……でも、やっぱり詰将棋を自分で作るようなものって考えたら、小説を構想して執筆するのと同じくらい、頭脳労働が必要よね

アツマくん「チェス・プロブレムづくりが、ナボコフって作家の、小説執筆に役立ったわけだな

わたし「すごい! 模範解答! アツマくん、若島正先生じゃないけど、京都大学行けるんじゃないの?

アツマくん「おまえアメリカンジョークがうまくなったな・・・(^_^;)」

 

アツマくん「チェスのルールはわからないけどさ。

 おまえ、将棋の駒の動かし方とか、わかるか?」

わたし「わかるよ。ーーなに、将棋指したいの?」

アツマくん「『二歩』が禁じ手だとか、そういうルール、知ってるよな」

わたし「プロ棋士でも時たまやらかして反則負けになるっていう、あれでしょ。知ってる知ってる」

アツマくん「じゃあ将棋盤と駒を持ってくるから、指すか」

 

 

2時間後……。

 

わたしは、悔し涙を浮かべていた。 

 

鬼のアツマ「・・・・・・弱すぎだろ、おまえ。

 完璧ヒロインみたいなおまえに、こんな弱点があったとはな。

 7番勝負で、おれに7回連続で負けるとは・・・・・・(;・∀・)」

 

わたし「少しは手加減してよ、

 あんたが将棋指すのうまいって知ってたら…知ってたら…」

 

鬼アツマ「いや、おれ、『段』どころか、『級』だって持ってないし。

 たまに高校で藤村と指しても負けまくるようなレベルだぞ」

わたし「証拠がない、証拠が……」

 

アツマ九段「じゃあ、こうしよう。

 愛、『二枚落ち』ってわかるか?」

わたし「レベルが高い人のほうが、飛車と角抜きで指すんでしょ」

アツマ九段「おまえのプライドが許さんかもしれんが・・・(;・∀・)」

負けん気が強いわたし「いいえ、たとえ二枚落ちでも、アツマくんに勝たなきゃ気が済まない!!」

 

 

そして、わたしは、二枚落ちのアツマくんと対局した。

 

どっちが勝ったか・・・?

 

それは、読者の皆さんのご想像にお任せしましょう。

 

 

 

 

……ぐすん。