夕方五時のチャイムが鳴る

 

TEENAGER

TEENAGER

 

 

「マキ、フジファブリックの新しいアルバム、もう聴いた?」

「とっくに」

ええ〜、ずるい〜〜

 

「だって、あのアルバム、出たのもう半年近く前だよ。

 そもそも、あのアルバムはお母さんに送られてきたじゃん。なんでもらったひとが先に聴かないかなぁ」

「社会人なんてそんなものよ」

「ライターでも?」

「ライターでも」

「お母さんがCD聴くのは半分仕事でしょう」

「だからだよ」

「聴くCDが多すぎて後回しになるってこと?」

「するどい」

 

そんなにお母さんが多忙なようには思えないんだけど・・・・・・。

 

数日後

 

「マキ、聴いたよ、『TEENAGER』」

「ああ、フジファブのーー」

「ネタ切れじゃなかったじゃん」

「でしょ」

「母さんは、音は1stみたいに『こもっている』ほうが好きだけどね」

「また聴き専特有の文学的な比喩を······」

 

 

「マキは、どの曲がいちばん好き? わたしは『東京炎上』」

 

母さんの趣味はわかんない。

 

「『パッション・フルーツ』」

だと思った♥

「(-_-;)」