愛の出遭い

孤独の文学少女(後編)

「は、ハイデガーの、存在と時間!?」 つい、声に出して、言ってしまったわたし。 その、ちくま学芸文庫版『ハイデッガー 存在と時間 上巻』を読んでいた子が、気づいて、わたしのほうを見た。 やっぱり、同学年だった。 問題は、その子が、明らかにわたし…

孤独の文学少女(前編)

わたしは文芸部に入った。 文芸部に入るとき、心に誓ったこと。 それは、「上から目線にならない」ということだった。 伊吹先生の授業で、「文学史クイズ」に全部自分が答えてしまったことの、反省。 つまり、知識をひけらかさないこと。 他の部員をバカにす…