放課後
学校の図書館
スポーツの文化史: 古代オリンピックから21世紀まで(叢書・ウニベルシタス)
- 作者: ヴォルフガングベーリンガー,?木葉子
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2019/03/25
- メディア: 単行本
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「すごい本読んでますね、センパイ……」
「おねだん6000円以上だって」
「まるでゲームソフトみたいな価格…」
「ゲームソフトの値段相場って、そーゆーもんなの?」
「羽田センパイはテレビゲームをやったことないんですか!?」
「ほとんどない」
「『ほとんど』ってことは、やったこともあるんですよね」
川又さん・・・(^^;)
問い詰めが、得意。
「『パワプロ』ってゲームやった」
「『パワプロ』!? 『実況パワフルプロ野球』ですか!?」
「それ。
わたしの操作してる横浜ベイスターズが、対戦相手にぼこぼこにされちゃったから、それっきりだけど」
「どなたと対戦されたんですか…」
と、
問い詰め第2弾。
「えーっと、あ、アツマくんのことは、川又さん知ってたよね?」
「はい(即答)」
「アツマくんに将棋で1回も勝てなくて悔しかったから、パワプロで逆襲しようと思ったけど、そもそも1回もプレステのコントローラー触ったことがない人間が、まともにパワプロ操作できるわけなくってw」
「--やっぱり仲がいいんですね。」
「い、いまのわたしのことばで、どうしてそういうとこまで読み取れるの!?
川又さん、わたしの心が読めるのかしら!?」
「『ことば』ではなく、」
「へ?」
「『顔』です。
センパイ、すっごく楽しそうな顔で話していたので」
「カーーーーーッ」
「だ、大丈夫ですかセンパイ!? 微熱があるんじゃあ」
「うん……、
少しだけ頭、冷やしてくる……」
× × ×
「わたし、どうして気づかなかったんだろう。
じぶんが『顔に出る』タイプだって」
「(;^^)センパイは、『どうして?』っていう問いかけが、ほんとうにお好きなんですね」
「哲学者に向いてるのかもしれない、って自分でもときどき思っちゃう」
「ところで……、
この本の内容に、今回、まったく触れていないのは、ちょっとだけ由々しき事態かもね」
「『今回』って、なんですか!?」
「川又さん、筒井康隆って作家、知ってる?」
「知っていますが!?」